2010年がスタートした。後ろ向きな話が多かった2009年に比べ、先行きに明るさも見えてきたようだ。今年の注目分野は何か。VentureBeatに紹介されたエントリーを引用させてもらおう。
引用: Eight trends to look for in 2010
Dave Kellogg氏 December 29, 2009
- 競争優位のためのIT投資が復活
景気回復に伴い、事業法人がITをコスト削減の手段としてでなく、競争優位性確立の手段として使い始めるという。前向き投資の復活だ。こういう時代に売れるのは、安価で汎用的なパッケージ製品よりも、新しいサービスを迅速に提供するインテグレーションかもしれない。
日本ではまだまだ二番底を懸念する空気が漂うが、アメリカではこうした前向きな話が出てきていることに注目したい。 - ソーシャル・ネットワークの細分化とSNS疲れ
数あるSNSの機能分化が進む。プライベートで使うSNS(Facebookなど)と仕事で使うSNS(LinkedInなど)を使い分ける人が更に増える、というような意味だ。また、(特に若年層よりも上の世代で)SNS疲れともいうべき兆候が増えるだろう。(どちらも日本ではすでに起こっていることかも) - クラウド・コンピューティングへの期待と幻想
2009年に最も盛り上がったIT用語は「クラウド・コンピューティング」かもしれない。そうした状況についてガートナーが"Peak of inflated expectations"と言ったらしいが、期待が大きすぎて2010年は幻滅に変わるかもしれない。何が本物か問われる年になりそうだ。 - データベース業界包囲網?
データベース・エンジンといえば、OracleをはじめIBMやMSでほぼ業界構造が安定していると思っていたが、どうやらそうでもないらしい。タグやメタデータが重要視される時代にあっては、あらかじめデータ構造を定義した「定型」タイプのデータベースではなく、データ構造は定義しない「非定型」タイプのデータベースの登場が待たれるのかもしれない。 - Googleの地位が低下
MicrosoftのBingや、人力検索のMahaloやAnswervilleといったサービスが市民権を得てきた。Googleの強さは相変わらず圧倒的だが、サーチエンジンの業界構造に動きがありそうだ。 - XMLが静かに浸透
ここ数年、XMLが話題に上ることはあまりなかったように思うが、足元では着実に浸透してきているらしい。MicrosoftやAdobeがXMLに対応してきているようだし、XBRLによる財務情報開示、HL7によるヘルスケア情報の開示なども検討されている。XMLを使ったレガシーシステムとネットとの融合が進むという。 - モバイルが発展
新型端末、無線通信の高速化、位置情報技術などにより、モバイルアプリケーションが更に盛り上がるだろう。ヘッドアップディスプレイなども注目だ。
日本とは様子が違いそうなところもあるが、日本も含めたIT業界の新たな事業ネタになりそうなものもある。モバイルなどは日本が先行していそうなので、日本発の世界ベンチャーの展開にも期待したいところだ。
本年もよろしくお願いいたします。
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