FacebookがUS$150mを資金調達し、従業員の株式を買い取るという。従業員のインセンティブのためのようだが、こういう手法は初めて聞いた。VentureBeat誌に掲載されたエントリーを見てみよう。
引用: Facebook raises $150 million more to cash out employees
VentureBeat, May 16th, 2009Facebook has almost finished raising $150 million in capital, in an extraordinary move by the company to buy out shares of hundreds of regular employees.
... Now, by selling to those shares investors for a private market value of $10 each, employees can enjoy a nice windfall. According to our sources, the transaction will include the buying out of roughly 15 million common shares — thus equaling around $150 million total value.
今回の資金調達はまだ完了してないようで、会社側も正式なコメントは拒否しているようだが、これが実現するとしたら驚きだ。
成長企業においては、従業員のインセンティブを高めるためストックオプションを発行して株式公開なりM&Aすることで従業員に金銭的な見返りの提供を目指す、といったことがしばしば行なわれるわけだが、現在のように株式市況が低迷している中では株式公開もままならず、従業員のインセンティブにならない、というのは各社に共通した悩みだろう。そうした状況下において、外部投資家の資金を使って従業員の持ち株を買い取るというのは、注目すべき動きといえるだろう。
Facebookは過去数年間の間に急速に成長し、先行するMySpaceをも上回りそうな勢いを見せてきた。ファイナンス面でも強気の姿勢を崩さず、2007年にMicrosoftから資金調達を検討していた際には時価総額US$150億ドル(約1.5兆円)が取りざたされたこともあった(参考記事)。
今回の従業員持ち株買取のための資金調達なんていう荒業は、そうした注目度の高いFacebookだからこそ出来る話なのかも知れない。
ちなみに、今回の資金の出しては既に出資しているVCのようだ。$150mというのは決して小さくない金額だと思うが、米国のVCはお金の持って行き場がないということか。。。
... Because of the size of the round, Facebook’s existing investors — Accel, Greylock, Founders Fund and several others — found it a stretch to supply the full amount of capital. We’re hearing the final part of the deal is being sold to new Asian investors.
ちなみに、今回のファイナンスにはアジアの投資家も参加するらしい。
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