すっかりご無沙汰してしまいました。
明るい話題が少ないご時世ですが、こんな時代でもベンチャーの進歩は止まらない。少々気の早い話ながら、2009年に向けて注目される技術について、目に付くところをまとめて見たい。
モバイル分野は引き続き注目度が高い。
水平分業モデルの進展: ハードウェア、ソフトウェア、サービスといったあらゆる階層で垂直統合モデルから水平分業モデルに移行する流れが加速しそう。「オープン化」、「モジュール化」が重要なキーワードとなり、これらをうまく取り入れることによって品質の確保・強化やコストダウンを実現したところが大きく飛躍するかも。
UIの改善: iPhoneのタッチスクリーンに倣った携帯電話がこの秋から一気に増えてきた。これを機にUser Interfaceがますます注目されそう。たとえばGoogleのVoice Searchなんて面白い。iPhoneにダウンロードして、知りたいことをiPhoneに向けてしゃべれば、その声を認識して検索結果を表示してくれる。今のところ英語専門で日本語対応してないが、Googleの技術力を持ってすれば日本語対応も時間の問題か。メール入力に親指を使う時代も早晩見られなくなるかも。
こうしたUIの改善は何もモバイルだけでなく、PCの世界にも期待したいところだ。
参考: Let there be voice! Google Voice Search for iPhone launchesパーソナライズ: ドコモの携帯ラインナップが4つに進化したように、携帯電話の世界ではますます個人の嗜好にあわせる動きが加速しそう。
ロケーション・ベース・アプリ: GPSモジュールや加速度センサー、地磁気センサーの性能向上が追い風となり、多くの携帯端末上でこれら機能の常時稼動が当たり前になりそう。アメリカではこの分野のVBが増えてきた。日本でも更に普及する可能性あるかも。
参考: Five location-based services to watch in 2009
ネット分野はCGMの次に何がくるか注目している。SNSはミクシィなど先行企業の成長にややかげりが見えており(2008年7-9月期の売上高は29億円、前年同期比19%増だが、前四半期<4-6月期>に対しては1.9%増に留まる)、更なる成長のためには違う戦略が求められそう。たとえば、Facebookのようにプラットフォーム戦略をとり、既存の顧客ベースを強みにプラットフォーム上での広告価値を高めたり収益機会を増やす取り組みなどが考えられ(実際IR資料にはそのように発表されている)、逆に言えばこうした広告価値を高めたり収益機会を増やせる機能というのは今後もニーズが高そうだ。
動画関連ビジネスもすっかり定着したが、更に飛躍するためには著作権問題は避けて通れない。2011年の地上波アナログ放送廃止に向けて、こうした問題を解決できれば更に大きなビジネスが広がるのではないか。
メタバースは今のところパッとしないが、長い目で見れば引き続き注目分野だと見ている。
エンタープライズ・コンピューティング分野では大きな流行は見出しにくい。過去数年間はコンプライアンス絡みの分野が大きなビジネス機会を提供したが、景気が弱含んでいる中では不要不急の投資は抑えられがちのため、初期コストが低くて利便性の高いものが注目されるのではないか。たとえば、Salesforceに見られるようなクラウドコンピューティングの進展はこれからも更に進むだろう。パッケージ販売に依存したソフトウェア会社は苦しくなるかも知れず、SaaS型のビジネスを検討する余地が増えるかも知れない。
、、、とここまで勝手なことを書いて見たが、皆様のご意見は如何に? コメント、トラックバックを歓迎します。
上記のほか、個人的には通信分野、半導体分野、代替エネルギー分野等に引き続き注目している。機会があればこれらについてもまとめて見たい。
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