今年は年明け早々から世界中の株式市場が大荒れとなっているが、2007年の実績を見る限りアメリカの株式・債券・商品市場は悪くない。NACUBO: National Association of College and University Business Officers によるレポートを見てみよう。
Universities do well with private equity investments, merely ok with VC
(オリジナルはこちらの5ページ目)
Private equity firms yielded some of the best returns for the nation’s university endowments last year, but venture capital firms did only so-so, reflecting what most people already know about 2007: It was great for private equity, but hard for venture capitalists.
それによると米国内の資産運用手段としては、Private Equity(バイアウト)ファンドがもっとも高いリターンを出したようだ。それに大してVCファンドは多少見劣りがする。
長期間にわたるファンドのリターンをどのように評価・比較するかという課題はあるが、VCファンドのリターンは全体としては際立って高いわけではないということのようだ。2006年よりは随分と良くなった点は評価してもよさそうだ。
このリストを見ていて気がつくのは、米国外(恐らくはBRIC等の新興国)の株式の運用状況がすばらしい。やはりというべきか。また、サブプライムが騒がれているようなイメージがあるが、米国上場株式はなかなかのリターンだ(日本の株式市場の低迷ぶりは本当に米国サブプライムが問題なのか?)。サブプライムなんて関係なかった2006年よりも2007年の方がパフォーマンスはいい。一方、資源関連の運用状況が控えめで、2006年からの急落ぶりが良くわかる。不動産も少々厳しい。どちらも調整局面入りということか。
上記のリストでは比較的好調な数字が並んでいるように思うが、2008年の情勢は微妙だ。株式市場が厳しい局面を迎えると、PE,VCとも運用成績は悪影響を受けざるを得ない。株が下がったら仕込み時、という事かも知れない。
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