Dellの株価が振るわない。
世界のPC市場でのシェアを落とし、株価は過去3年間の最低価格を記録したようだ。Dellのビジネスが成長していないわけではない。世界の成長スピードにDellがついていけないのが問題なようだ。
Economist誌によると、Dell不調の理由はこんな具合だ。
- Dellは直接販売による低コストを背景に圧倒的な価格競争力を実現していたが、ここに来て競合各社も価格競争力をつけたので、もはや価格競争におけるDellの優位性は崩れつつある。
- コンピューター市場のうちで大きく伸びているのは家庭市場とエマージング市場(中国やインド等)だが、Dellが得意とする法人市場はそれ程伸びていない。Dellの売上に占める法人市場での売上は85%にも達する。Dellは直販モデルを取った結果、街角のPCショップでは存在感が薄いのが仇になっている。
- DellはIntelのCPUしか採用しない戦略をとってきたが、Intelのライバルである(低価格の)AMDがシェアを伸ばした結果、AMDを使うメーカーに比べてIntelを使い続けるDellは薄いマージンで我慢せざるを得なくなってきた。
一時期は流行り言葉のように使われた「Dellモデル」も時代の変化に晒されて万能とは言えなくなってきたようだ。これからの動向が注目されるところだ。
ところで、私はこれまで3回Dellの製品を買ったことがある。
最初が確か96年頃。他メーカーよりも多少安かったのと興味本位も手伝ってオンラインで注文したが、品物が届くまで1ヶ月近くかかって複雑な思いをしたことを覚えている。
2回目は2004年。この時も安かったがやはり配送に1ヶ月かかり、さらにちょっとした不具合があってサポートセンターに電話したら、日本語での会話に苦労し(たぶん相手は日本語を解する外国人)、結局埒があかなかった。まぁ安いからしょうがないかぁと思ったものだ。
3回目は劇的な改善があった。注文したのは今年の4月末、そこから1週間で品物がとどいてしまった。まぁ今回だけはアメリカだから多少事情が違うのかもしれないが、それ以前の体験とずいぶんと違うので、今回の取引には大いに満足している。
品質に改善が見られるうちは、まだまだDellの業績は拡大して行くのではないかと考えている。
本論とは関係ありませんが、
先日DELL製のプリンタが故障してコールセンタに問い合わせをしました。
一人目に出た人は要領を得なかったのですが、再度かけなおして出てきた人は僕と一緒に問題を解決しようという意気込みがあって、無事にソフトウェアが対応していなかったバグを発見することができました。
コールセンターの質って不均一だなーと思ったと同時に、こういった部分はナレッジというよりも問題解決能力に依存するのでトランスファーって難しいのかなと感じました。恐らく解決できない問題を解決できる人にパススルーする「仕組み」をつくることが重要なんでしょうね。
PCに付随するこういったサービスのよしあしでPCって買われているようになっているんでしょうか?これってリピート率には多少インパクトを与える気はしますが、他社のサービスを知らないと比較もできないので結局は値段とスペックで買っているような気がします。
投稿情報: はる | 2006年5 月13日 (土) 22:57
はるさん、コメントありがとうございます。
サービスの良し悪しも多少はPC販売に影響するんではないでしょか。Dell Japanの場合、日本の顧客に対応するコールセンターを中国に移したが、十分なサポートを得られない顧客の不評を買ったという話を聞いたことがあります。その後、Dell Japanがどうされたかは聞いていませんが、コールセンターを日本に戻したという噂もあったように思います。
2004年に私が買った頃まではdellは価格が安いだけじゃなくてサポートも業界No.1だったので、これは売れないわけがないという状況だったと思いますが、ここにきて状況が変わってきたということかも知れないです。
投稿情報: キャピタリスト | 2006年5 月16日 (火) 00:08