いよいよGrouponがIPOするようだ。いったいどのくらいの時価総額がつくか、あちこちで議論が賑やかだ。NY Timesあたりでは、US$30B(300億ドル、約2.5兆円!)の時価総額がつくかも、なんていう記事が書かれている。
引用: Groupon Plans I.P.O. With $30 Billion Valuation
June 2, 2011As Groupon would say, the deal is on.
The social buying site on Thursday filed to go public, a hotly anticipated debut that could raise $3 billion, according to two people close to the company who were not authorized to speak publicly. At that level, the company would be worth roughly $30 billion, surpassing the value of Google at its initial public offering.
2004年にGoogleが公開した時の時価総額は$27Bだったが、Grouponに$30Bの価格がつくとしたらGoogleをも凌駕する驚くべき数字だ。ちなみにGoogleのIPOも当時は随分と話題になったもので、Googleの社員からミリオネアが続出し、皆さんシリコンバレーで新たに住宅を買いあさったものだから、シリコンバレーの不動産価格が一気に高騰したなんて噂も流れたものだ。Grouponの社員は8,000人いるというが、さぞかし世界各地の不動産市況に影響を与えることだろう。
しかしながら、果たして$30Bのバリュエーションは妥当だろうか?
TechCrunchに分析が載っているので引用させていただくと、
引用:Groupon、IPO申請書に基づく年間収益予測は驚異の$2.6B
ついにGrouponが今日IPOを申請し、同社の財務状況があらわになった(リンク先に財務情報全文がある)。Grouponは驚異的ペースで成長を続けている。昨年同社の収益は2万2000%増の$713M(7億1300万ドル)だった。そして、2011年第1四半期だけで、昨年1年間の収益にほぼ匹適する$644M(6億4400万ドル)を上げている。これは前年同期比1万3575%増である。
創業2年目の2010年は売上$713M(約60億円弱)という驚異的な数字を記録し、2011年第1四半期だけで$644Mというから2010年1年分に匹敵する売り上げを記録している。成長スピードは驚異的だ。
しかし、大赤字でもある。2010年は$456Mの損失、2011年第1四半期も$147Mの損失と、大赤字の連続だ。
2008 2009 2010 2011Q1 売上高 94 30,471 713,365 644,728 売上総利益 5 10,929 279,954 270,000 純利益(損失) -1,542 -1,341 -413,386 -113,891 (単位:千ドル)
2010年はざっくり言って$700M弱の販管費を使っているようで、同年の売上高に匹敵するレベルだ。2010年の平均従業員数が何人であるか不明だが、仮に7,000人とすれば、単純計算で従業員一人当たり100k(約8百万円)を売り上げ、同じく100k(約8百万円)の販管費を使ったことになる。
これって、果たして儲かるビジネスなのだろうか?
急成長によって市場を一気に制覇し、その後で高収益体質に移行する等の手はあると思うが、その段階に移行するまで順調に資金調達出来るかどうか、更に急成長に伴う数々の課題(「スカスカおせち」は記憶に新しい)を如何にこなしていくか、マネジメントの巧拙が問われるところだ。
いろいろと課題はあるものの、話題性たっぷりだ。今後の動向に注目したい。
これは目が離せませんよね。世界のIPO市場およびその後のマーケット形成に相当大きなインパクトを与えるはずです。
投稿情報: _ha_l | 2011年6 月 6日 (月) 00:43