米VC業界を代表するJohn Doerr氏が米Obama政権のアドバイザリー・ボードに就任したらしい。アメリカ国内におけるVC業界の存在感を示す点で興味深いニュースだ。
出典: Obama appoints John Doerr to economic advisory board
by VentureBeat 2009/2/6President Barack Obama just named two Silicon Valley bigwigs to his new Economic Recovery Advisory Board — famed venture capitalist John Doerr of Keiner Perkins Caufield & Byers and Charles Phillips, president of business software maker Oracle Corp.
John Doerrといえば、VCに携わる人なら知らぬ者はいない業界トップの人。Google、Amazon、SunMicrosystemsに投資した人、といえばわかりやすいか。そのJohn DoerrがObama政権の"Economic Recovery Advisory Board"(経済再生諮問会議)のメンバーに任命された。あわせてOracleのプレジデント、Charlds Phillips氏も指名された。
これら2名の著名人が招聘された理由についてObama大統領はこう語ったとされる。
“Put simply, I created this board to enlist voices to come from beyond the Washington echo chamber, to ensure that no stone is unturned as we work to put people back to work and get our economy moving,” Obama said.
意訳すると、「経済を再生して人々に仕事を取り戻すためには、障害になりそうなことを速やかに取り除く必要があり、そのためにワシントンから離れたところの英知をも広く集めることにした」ということだ。確かに、クリーンテック業界、IT業界の最先端にいる両名のコメントは、新しい産業の育成の面から参考になるところが多々ありそうだ。
元々、John Doerrと政治の関係は深い(参考エントリー)。クリントン元大統領、アル・ゴア元副大統領、そしてヒラリー・クリントンと、民主党を支持してきた。John Doerrは米国のクリーンテック投資を引っ張ってきた著名人の一人だが、同時に政治にも影響を及ぼすことで、そうした新分野の産業そのものをつくりだろうとしているように見える。クリーンテック界の有望企業にあらかじめ出資しておき、政治を動かして公共事業や助成金を出して産業を興す。そうすれば新産業によって国が栄え、自らも利益を手にすることが出来る。米VCは政治をも動かせるほどのパワーを持つという点で、大変興味深い。
拝金主義はよろしくないが、国が栄えて初めて礼節を知ることが出来る。こうしたアメリカの政界と財界の連携については、日本も見習うべきところが多いのではないか。たとえば、、、携帯電話で元気のいい会社のトップの方や、世界的に著名な自動車会社の経営者の方がアドバイザーになるなど。。。
とは言うものの、政界のトップがぐらついているようでは微妙か、、、
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