年末はVCが最も多忙な時期だ。欧米諸国で言えばクリスマス前、日本も年の瀬の前に資金を手当てしようとするベンチャー企業が多いので、毎年この時期は投資契約の大詰めを迎えることが多い。そうした多忙の中、先週は国外に長期出張に出たりしていた関係で、ブログもご無沙汰。反省してます。
さて、2008年のことがメディアのあちことで書かれる時期になったが、その中で目に付いた記事を紹介しよう。GartnerやIDCといったリサーチ会社が出しているものではないため、あまり包括的ではなく、どちらかというとこのエントリーの筆者の個人的視点(韓国のネット社会の現状に照らして米国はこうなるといった論調)の色彩が強いものだが、そこはご容赦願いたい。
U.S. tech trends for 2008(詳細は原文を参照されたし)
- Mobile videoconferencing reaches the states
- Virtual currencies warm up
- Semantic Web slowly begins to gel
- Location-based mobile services gain ground
- Interactive TV makes a comeback
1.のMobile VideoconferfenceについてはMobile WiMAX先進国の韓国ならではのサービスかもしれないが、既に韓国では10代らの携帯ユーザがテレビ電話で通話しているという。日本の3Gでも使えるはずなのに、個人的には日本で携帯テレビ電話を使っている人は見たことはない(周囲に10代がいない?)。しかし、パケット定額制の普及によっていずれ普及するのではないか。米国でとなるとちょっと?だが、MobileWiMAXが出てくればありえるのかも知れない。
2.のVirtual Currencyは既にオンラインの世界で使われている。有名なところではセカンド・ライフのリンデン・ドルがあるし、各種のネットポイントやマイレージも決済手段として使われ通貨の機能を持ってきている。日本では電子マネーの動きも目が離せない。世界中で仮想通貨は今後も大きな流れになっていくのかも知れない。
3.のSemantic Webという言葉は20年くらい前に人工知能(AI)が流行った頃に聞いたことがある言葉で、随分と古風なことを言うと思ったが、復活してきたのだろうか、例えばこんなカンファレンスが開かれているようだし、XMLなどWebの技術も取り入れられてきている(説明)。Webの発達で改めて注目されているということなのだろう。今後もWebはフィルタリング、アグリゲーションといった形で発展を続けるようだ。今後、人間の生活にどこまで影響を与えるかといった問題から、フォーマットはどうなるかといった技術的な問題まで、徐々に解決されていくだろう。
4.は携帯電話へのGPSの標準添付によってますます広まりそうだ。日本ではなじみのあるサービスだと思うが、アメリカでもそろそろクリティカル・マスを越えそうだという。
5.のInteractive TV(双方向テレビ)は日本でもデジタル放送の浸透とともに、徐々に基盤ができつつある。テレビ・リモコンの青・赤・緑・黄のボタンをつかって、番組を見ている視聴者がお茶の間からクイズに投票するような試みが始まっているようだ。今後もますます増えるだろう。それと同じようなことが米国でも増えるというか。
このように、上記のエントリーは米国の2008年の動向について書かれたものだが、日本では既に実現していることも多い。こうしたコンシューマー向けのアプリについては日本は米国よりも先進国なのではないか。2008年は日本発で海外に飛び出すベンチャーが増える年なのかも知れない。もしそんな元気のいいベンチャー経営者の方がいらっしゃったら是非ご連絡ください。
皆様、よいお年を。
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