YouTubeに代表されるインターネットを使った動画配信は今ではすっかり身近なものになっている。しかし、こうしたオンディマンド型の動画配信は、利便性の代償として解像度・音質はそれ程高いとは言えず、何かしら我慢するしかないのが現状だと思う。
テレビの世界を見てみると、家庭用フラットディスプレイは急速に高解像度化(フルスペック・ハイビジョン等)、大型化、低価格化が進み、大画面の平面型テレビがコモディティと化すのは時間の問題となってきた。このようなテレビと同じように、ネットにおけるビデオのオンディマンド配信が急速に増えてきたことで、今後は高解像度を求める動きが新たに加わってくるのではないかと見ている。
現状では高解像度のビデオデータをインターネットで配信するには障害がいくつもある。回線の太さの問題やサーバーの処理能力の問題だ。受信機が携帯端末の場合にはクライアント側の処理能力や消費電力も問題になる。これらの障害は半導体技術の向上や通信技術の向上によって改善していく方向にあると考えているが、キャッシング技術のように過渡期を補う技術も向上の余地がありそうだ。
最近では、YouTobeのような草の根ビデオだけでなく、企業がビデオを重要なコンテンツと位置づけ、積極的な投資を行いそうな気配が見える。この企業セクターは、積極的な投資を行うことで、ネットにおける高解像度配信の先駆けになるかもしれない。企業セクターがビデオを本格的に使う時代が来れば、新しい大きな波がIT業界にも訪れるのではないかと期待している。
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