世の中にはアドバイザーを職業にされている方がいらっしゃる。事業提携、出資、M&Aなどについて紹介や支援を行うことを生業にされている方々だ。そうした方々のバックグラウンドは様々だが、今日会った方はこの道32年の大ベテランのアメリカ人アドバイザーだった。70年代に大学でコンピューターサイエンスを学んで就学中に起業、その後いいめぐり合いによって大きなチャンスを物にして成長し、現在は10人のアドバイザーを擁する事務所を経営し、自身もベテランアドバイザーとして相変わらず世界を飛び回っている。
今日のミーティング場所として指定されたのは某有名ホテルのティールーム、私は無難にコーヒー、対する彼はなんとシャンパンを注文した。私とのアポの前には誰もが知っている通信業界等の有名人お二人と会っていたらしい。
この方と相対していると、柔らかな物腰にもかかわらず、数々の山谷を超えてきた凄みがオーラになって体から湧き出していて圧倒されそうになる。大きなディールをまとめる人に共通しているが、話がとてもわかりやすい。ストーリが明確で、難しい言い回しをせず、示唆に富み、話していることがスッと頭に入ってくる。しかもエピソードが常人離れしていて、一度聞いたら忘れない強い印象を与える。彼のエレガントなストーリ展開に対し、自らの経験の狭さに呆れながらも、何とか話をシンプルにまとめメッセージをこめてボールを返す。にこやかな中にもお互いの力量を推し量る真剣勝負がそこにあり、いい意味で緊張する。一期一会とはこのことかとどこかで考えていた。
今日は始めてのミーティングなのに別れ際にプレゼントとしてTiffanyの小さな包みを頂き、とてもいい気分でミーティングを終えることが出来た。自らの力で30年以上もアドバイザリーをやってきただけのことはある。今日のミーティングを思い出深いものにする心配りも忘れない。一流とはこういうことかと改めて思い知らされた一時間だった。
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