VC関係者の皆さんは既にご覧になっているかと思うが、VentureOneから米国VC業界の2006Q1のバリュエーションデータが発表されている。これを見ていると米国VC業界の大まかなトレンドがつかめるのでキャピタリストとしては目が離せない重要なデータだ。ちなみに、NVCAのデータとは差異が大きいので注意が必要だ。
私なりの解釈はこうだ。
- ヘルスケア・セクターで注目されるのはメディカルデバイスで、この分野のバリュエーション上昇が著しい。専門外の私でも、この手の話をよく耳にするようになった気がする。世界的に高齢化を迎えることもあり、ファンダメンタル的には当面順風ではないか。
- IT分野で目を引くのはエレクトロニクス&コンピューターで、このバリュエーションのジャンプはやや異常。おそらく大型ディールが何件かあったのだろう。通信とソフトウェアは順当にバリュエーションを上げてきているというところか。情報サービス分野でややバリュエーションが低めだが、この分野のスタートアップが増えたということか。半導体分野のバリュエーション低下はインド・中国等に開発拠点を持つベンチャーが増えたためと見る。
- その他、メディア系企業の四半期の数字が出ている。案件が増えて四半期のデータを取れるようになったということか。
- ステージ別のバリュエーションではスタートアップを除いて明らかにバリュエーションが上昇傾向にある。資金が多く集まっているのでバリュエーションが上がったと言えるが、他にも理由はありそうだ。
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