ロンドンの株式公開市場であるAIMが盛り上がっている。
米国NADSAQ市場における株式公開件数はだいたい約200件(うちVCが投資している銘柄数は約60件)、日本市場ではだいたい150~200社(うちVCが投資している銘柄数は約100件)、これに対してロンドンAIM市場では2005年は519社が公開し(前年比46%増)、うちイギリス国外の企業が120社を占めるようだ。今、世界で一番盛り上がっているベンチャー公開市場と言ってもいいだろう。
ロンドンなんて海の向こうの遠い存在、って思う方も多いでしょう。でも、アメリカではちょっとしたロンドンブームが起きていて、その存在はあなどれない。アメリカではSOX法の絡みでベンチャー企業がNASDAQ等の米国株式市場で公開するためには多大なコストを強いられ、一説には年間20億円ものSOX対応コストがかかるという話だ。ベンチャー企業にはとても耐えられない負担だ。なのでベンチャー企業は米国内での株式公開をあきらめ、どこかの大手企業とのM'&Aを狙うか、あるいは海外の株式市場に目を向け始めたわけだ。海外の株式市場の中で公開しやすいところといえば、ロンドンのAIM、日本の市場(JASDAQ、ヘラクレス、マザーズ等)、香港、といったところがあるわけだが、同じ英語圏の強みや地理的・心理的近さから米国企業にはロンドン市場が好まれているようだ。
AIMは長らく「流動性にかける非効率なマーケット」として人々の眼中になかった存在だと思うが、ここ2年の間に米国系ベンチャー企業などをひきつけて大きく飛躍した。この勢いはまだしばらく続きそうだ。
日本のベンチャー企業でも海外への飛躍を考えるにはロンドンAIMは選択肢の一つになるのではないか。
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