技術開発型ベンチャーと付き合うことが多いせいか、どうもそちらの話が多くなってしまうのだが、今日もそっちの話。
技術開発型ベンチャーをやっていて怖いものといえば、製品開発期間中における環境変化。技術開発型の場合にはどうしても製品開発に一定の期間がかかるわけだが、その期間中に競合企業が出てきたり、代替技術が台頭したり、市場の関心が薄れたりする。そうした環境変化をうまく先回りして捉えることが出来ればいいのだが、業界通をもってしてもすんなり行かないものだ。
成功した企業はどうしてるのだろうか。
成功に定石があるとは思えないが、思いつくパターンのひとつは「成功企業は手堅い」ということだ。
先日、英国で大成功した企業の投資家と話をした。その会社も典型的な技術開発型のベンチャー企業なのだが、昨年米国企業に数百億円で買収された。最近の英国のベンチャー投資市場においては大成功の部類に入る。
その投資家に成功の要因を聞くと、いわく、その会社はある研究開発機関からのスピンオフ企業で、スピンオフして独立する前から既に製品開発が完了し、ある程度顧客の目星がついていたそうだ。技術開発面でも営業面でもある程度見極めが付いたところで独立し、見事成功をものにしたそうだ。
実際、イギリスでは先進的な研究開発を行う公的機関が多く、そこでは5年・10年先を見越した研究が行われ、事業化できるものがスピンオフして来るものが多いのかもしれない。
これって日本でも出来そうなことだと思いませんか? 日本の大企業、公的研究機関、大学などからスピンオフしてくるものがもっとあってもいいと思うんだけど。
その手のスピンオフベンチャーに投資したがっている投資家は多いだろうし、事業ネタはいくらでも転がっていることでしょう。後はこれを実行する「人」だけじゃないでしょか。
起業家の裾野がもっと広がることを期待して止みません。
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