昨年来の金融危機でアメリカのVC投資環境は落ち込みが危惧されていたが、やはり大きく落ち込んだようだ。2009年第1四半期は前年同期と比べて半減した。
PricewaterhouseCoopersとNVCAによるMoneyTree Reportの報告によると、2009年Q1の米国VC投資額は、30億ドル、549件だった。金額ベースで前年同期比マイナス47%、件数ベースでマイナス37%となったようだ。
引用: VC Investments Q1 2009 - MoneyTree - Press Release
... Quarterly investment activity was down 47 percent in dollars and 37 percent in deals from the fourth quarter of 2008 when $5.7 billion was invested in 866 deals.
VentureBeat誌にわかりやすいグラフが載っているので是非見ていただきたい。興味深いのはセクター別の推移だ。
引用: Good luck with that funding: Q1 sees lowest VC investment in more than a decade
IT、ヘルスケアといったすべてのセクターで投資額が落ち込んでいるのだが、中でも落ち込みが大きいのがエネルギー系、クリーンテックだ。クリーンテック分野は2008年まで順調に投資額を伸ばし、IT、ヘルスケアに次ぐ投資分野に育とうとしていただけに、この落ち込みは痛いところだ。
原油価格が値下がりし、経済危機でエネルギー問題も環境問題も一頃ほど騒がれなくなった。何よりIPO市場が冷え込んでいるのがつらい。クリーンテックの著名な企業の設備産業的な事業楮いうを持つところが多く、資金需要が旺盛だが、IPO市場が冷え込めばそれを前提としたVC投資もやりにくくなった、ということだろうか。クリーンテックはバブルだったのか、今後の動向が気になるところだ。
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