Dow JonesのVentureSourceによると、米国のWeb2.0関連企業への投資額が頭打ちになってきたようだ。2006年までは毎年倍々で拡大していたものが、2007年はほぼ前年並みだったという。VCからの投資額で見る限り成長期から成熟期に移行しつつあるようだ。
出典: Dow Jones: Web 2.0 investments peaking? (VentureBeat 2008/3/19)
Investment in Web 2.0 start-ups may be peaking, according to new data from Dow Jones VentureSource.
... The number of investments in Web 2.0 companies (namely, websites that emphasize social tools like social networks and blogging) increased 25 percent in 2007, from 143 deals to 178, VentureSource says. That seems pretty healthy, but it’s nowhere near the growth rates from 2002 to 2006, when the number of investments doubled every year.
2007年のWeb2.0企業への投資件数は178件で前年比25%増となっており堅調"Hearty"な状態だが、2002年から2006年にかけて毎年倍増してきたことを見ると鈍化している。
The numbers look especially weak for Silicon Valley. When you take Facebook out of the equation — the company’s $240 million investment from Microsoft (our coverage) and $60 million raised elsewhere add up to more than seven times the size of the next-largest deal — investments in the San Francisco Bay Area fell to around $421 million, a 3 percent drop from 2006. (See chart below.)
なかでもシリコンバレーが弱い。2007年はFacebookだけで$300m(Microsoftからの240mを含む)を調達したという特殊要因を除けば、サンフランシスコ・ベイエリアの投資額が$421mとなり、2006年を3%下回ることになるという(下図参照)。もちろん、絶対額から言えばベイエリアは相変わらずダントツで大きいのだが、伸びが落ちているのは気になるところだ。
VentureSourceでは2007年のWeb2.0大型ディールを紹介している(リンクはこちら)。下図がサマリーだが、Facebookの調達額が突出しているのがわかる。Facebook以下は$40mから$10mを調達した企業が列挙されており、IT系の他の業界、例えば半導体、通信、ソフトウェアといった分野に比べて、Web2.0系企業はあまり資本を使わないことが多いとの印象を受ける。
出典もとのVentureBeatの記事は、今後米国のWeb2.0系企業は(も?)資金調達が難しくなるのではないかと結論付けている。
Web系であれば注目された時代は既に終わり、各社とも多額の資金調達を行って規模拡大のスピードを競う段階に突入しているのではないか。今後も業界全体のパイが拡大し続ければいいが、そうでなければ近い将来に各社の勝敗が色濃くなり、合従連衡による寡占化が進むような感じを受ける。
興味深い記事ありがとうございます。
次のGoogleの様なバブリーな企業は中々もう出てこないのでしょうかね?
投稿情報: makoto | 2008年4 月 4日 (金) 02:23
makotoさん、ありがとうございます。
新規参入が頭打ちになり、今後は既存のベンチャー同士が競争し合従連衡していくということだと思います。バブリーな会社は出にくいでしょうが、強いベンチャーはますます強くなるのではないでしょうか。
投稿情報: キャピタリスト | 2008年4 月 4日 (金) 15:45