またまたGoogleネタで申し訳ないが、最近のGoogleはますます騒がしい。GoogleがついにVC投資を始めたようだ。
BusinessWeek誌の報道によると、Googleはスタートアップ企業に小規模投資をしたようだ。記事からいくらか引用させてもらおう。
Google's Newest Role: Venture Capitalist
... Google (GOOG) has begun making VC-style investments to the tune of about $500,000 or less in promising startups, often buying those companies afterward, according to partners at Silicon Valley VC firms who spoke on condition of anonymity.
... So far, Seedfund has taken $500,000 to $750,000 stakes in four companies, including an online news site.
上記によると、Googleはスタートアップ企業に対して50万ドルぐらいのVC投資を始めたようで、今のところオンライン・ニュース・サイトなど4社に投資したらしい。GoogleがVC投資を始めた意図については下記のようにコメントされている。
By staking startups, Google hopes to avoid paying the higher prices companies can fetch once they take funding from traditional VCs. It's possible that some of its investments are conditioned on Google having first-acquisition rights should a target opt to sell, some VCs speculate.
つまり、Googleはこれまでも多くのベンチャー企業を買収してきたわけだが、そうした企業を買収するタイミングよりも前にVCが投資していると買収価格が高くなりがちなので、そうした有望ベンチャーに対してはVCが投資するよりも早い段階でGoogleが自ら投資することで、将来会社が成長したときにはその会社を「最初に買い取ることが出来る権利」を獲得することを狙ったのではないかとの憶測が流れている。
"There are a lot of entrepreneurs who aren't making the trip to Sand Hill Road," says Ray Rothrock, managing general partner at Venrock Associates, referring to the Menlo Park (Calif.) thoroughfare that is home to many venture capital firms.
上記の「最近はサンド・ヒル・ロードに行かないベンチャー企業が多い」とのコメントはVCには深刻だ。サンド・ヒル・ロードは有力VCが軒を連ねるシリコンバレー(のVC)の中心地で、多くのベンチャー企業はここにあるVC達に自らのビジネスプランをプレゼンして回るのがある意味「常識」であったわけだが、最近はそれが常識ではなくなっているようで、VCに頼らずに自活するベンチャーが増えているとのコメントだ。実際、米国大手VCからは資金を受けたくないと宣言するシリコンバレーのベンチャー経営者に会った事がある。大手VCから相手にされないことによる負け惜しみ、と穿った見方もありえるが、どうなのだろうか。
さらに、こんなコメントもある。
A partner at another large VC firm says a tendency by corporate venture arms to buy startups not long after investing in them is "very inconsistent with the venture community's strategy" of providing guidance and making several rounds of investments over the long haul.
「コーポレートベンチャーはベンチャー企業が若いうちから買収するようになった」というコメントもあるようだ。つまり、VCが投資するよりも前にコーポレート(例えばGoogle)がベンチャー企業を買収してしまうので、VCは投資するチャンスにありつけないというわけだ。実際、このような話は去年(もっと前?)ぐらいからあった。VCは今やGoogleと競争しなければならないtと。
Googleをはじめとする米国の有望ハイテク企業がベンチャー投資やベンチャー買収を活発化しているといえるが、それがVC業界全体にどの程度のインパクトを与え得るのか、気になるところだ。Googleによる投資件数が4件であれば、それ程インパクトはないが、これが一桁大きくなると業界へのインパクトは大きいと思われる(ちなみに、米国ベンチャー企業のM&AによるEXITは年間400件程度)。今度の動向には注視が必要ということだろう。
いづれにしても、Googleの参入でVC業界は騒がしくなったと言えそうだ。
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