BusinessWeek誌を見ていたら、こんな記事があったので紹介しよう。
アメリカではVCがVBにローンを出すことが増えているらしい。(原文はこちら)
A venture capitalist, Ed Sim of Dawntreader Ventures, argues in his blog that because venture funds are increasingly willing to extend loans along with equity capital, early-stage technology companies have an opportunity to lower their financing costs.
なかでも、Web系のVBなどが対象となっているようだ。
Of particular interest to venture lenders are Web-based companies, since they "can scale…rapidly" and thus "generate pretty nice returns" from warrants that are part of the loan package, says Sim.
その理由は、Web系VBは成長スピードが速いからだと説明されているが、それ以外にも下記のような理由があるようだ。
・The money is "relatively cheap compared to an equity financing," since entrepreneurs don't have to give up as much of their companies as they would if all the VC funds were in the form of investment capital.
・Entrepreneurs retain more flexibility for future financing options than if they accept all investment capital.
・Entrepreneurs gain a longer "runway" to hit their milestones, which improves their chances of increasing the company's valuation and reduces the cost of future investment funds.
要約すると、①ローンの資本コストはエクイティよりも低くてお得、②将来のファイナンス上の選択肢が多い(将来増資する余地が残る)、③マイルストーン達成までの時間を稼げる、といったところのようだ。
それぞれもっともな理由だが、個人的にはさらに④エクイティファイナンスは持株構成が変わるため既存投資家の了解を取り付けるのが大変だがローンはこの点影響なし、⑤ローンに個人保証が不要で日本に比べて手軽、といった事情があるように思う。
特に、この⑤の事情は重要で、欧米で行われるベンチャー向けローンは概ね会社の資産に担保権が設定されることが多いが、日本にありがちな「個人資産への担保権設定」や「個人保証」はほとんど見られない。このあたりが起業家の意欲を促進する意味できわめて重要な気がしている。
日本でもベンチャー向け「無保証」ローンの可能性があるのかも知れない。
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