Amazonが昨年始めたサーバー・サービスAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)に注目している。日経BP社のサイトに掲載された記事を引用させて頂くと、
一般的なレンタル・サーバーのように特定のマシンを顧客に貸し出すのではなく,Amazonが自社サービスのために構築したサーバー環境を論理サーバーとして単位(インスタンス)ごとにレンタルするというものである。まだクローズド・ベータ版ではあるが,安定しており,格安で利用できることから新興企業にうってつけのサービスと評価は高い。
価格設定は至ってシンプル、固定費がかからず従量課金のみ、それも既存のサービスに比べて割安な設定だという。固定費負担を軽減したいネット系ベンチャー企業には朗報だろう。詳しいことは同記事を参照いただきたい。
この記事で注目したい点は、ハードウェアがサービスになりつつあることだ。これまでもホスティングやレンタルサーバーといった類似のサービスはあったが、このAmazonのサービスはこれをもう一段押し進めて、ハードウェアをオン・ディマンドで利用可能なインフラにしてしまおうということだ。ハードウェアの新しい事業形態として注目に値する。なんだか通信事業と似ている事業モデルか。
これがビジネスとしてペイするかどうかが問題だ。いくらハードウェアが安くなったとはいえ、大規模なデータセンターの運用は少なからずコストがかかる。Amazonの場合も収益性は低いようだ。しかし、Amazonはこの事業で収益を上げるよりも、どうやら外部の開発者コミュニティを取り込むことに重点を置いているようだ。外部の開発者を自社のインフラにつなげることで生態系を大きくし、そこから一般顧客を呼び寄せるという、いわばマーケティング的な意味を重視しているらしい。Googleがソフトウェアを無料で開放するように、Amazonも無料に近い価格でハードウェアを開放するということか。
サーバー業界、データセンター業界に構造変化が起こっているということなのかも知れない。
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