すっかりご無沙汰してしまいました。7月はかなりの日数を機上で費やし、Webをゆっくり見ている時間がほとんどなかった。Blogを続けるのは本当に難しい。
さてさて、そんな時にも世界は動いているもので、最近「へぇ~」と思ったのは米国大手携帯電話事業者のひとつであるSpintがWiMAX規格によるワイヤレスブロードバンド事業に2間で30億ドル(約3千億円)もの巨額な投資をすることだ。
参考:Economistの記事 Up in the air
WiMAXというのは、今ではほとんど当たり前になった無線LAN規格であるWiFiを拡張した通信方式で、WiFiよりも遠距離の通信が可能になる。だからパソコンからブロードバンドでWebを見たいとき、これまでのようにWiFiのアクセスポイントがあるHot Spotを探さなくても済み、どこでも高速なブロードバンドアクセスが実現する。
でも、個人的には技術としてはおもしろいが、ビジネスとしては難航するのではないかと勝手に予想していた。
なぜなら、WiMAXは競合する技術が多いからで、なかでも筆頭はNTT DoCoMoらが進めている第三世代携帯電話と呼ばれる技術で、通信距離もデータ転送速度もちょうどWiMAXと競合する関係にある。日本で売れている携帯電話の9割ぐらいは今や第三世代(FOMA等)になったようだから、日本でWiMAXが入り込む余地はあまりないだろうと見ていた。WiMAXtが入り込める市場があるとしたら、固定電話網や形態電話網が十分発達していないところで、たとえば中国やインドその他の第三世界を考えていた。
で、今回の報道はアメリカでの話だ。
このblogでも何度か取り上げたが、アメリカの(というか私がいるカリフォルニアの)ブロードバンド環境は日本よりも5年は遅れている。ブロードバンドが欲しいと思っても、実質的にADSLかCATV-ISPしかなく、スピードは遅いしよく落ちる。だからより高速なブロードバンドアクセスが市場に入り込む余地はあるだろう。
だが、アメリカは広い。なにしろ広い。ドライブに出かける度にその広さを痛感する。そうした広大な地域に基地設備を設置するのは手間も費用も大変だ。この広さがWiMAXビジネスの命運を左右する。
Sprintの試みが成功すれば無線通信に新しいスタンダードが誕生したということだ。多くの派生ビジネスが生まれるだろう。固定電話はますます苦しくなるだろう。道のりは険しそうだが注目したい事業の一つだ。
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