CNETに「インターネットバブルを起こせない日本のVC」というエントリーが寄せられた。トラックバックが出来ないので、とりあえず原文へのリンクを張りました。
湯川氏の主張は概ね正しいと思う。実際、日本と米国のVC投資額を比較すると規模の違いは歴然としているし、大手VCの中にはレーターステージへの投資に注力しているところが多く、バブルになるくらいの勢いを持って産業を興そうなんて考えているVCはほとんどないのが現実だろう。
しかし、アーリーステージのベンチャー企業に投資して企業と一緒に汗を流しながら頑張るVCやキャピタリストが出てきているという話も聞く。こうした人たちを「本物のキャピタリスト」と呼ぶとすれば、最近までの好調なIPO市場に指させられて、「本物のキャピタリスト」は着実に増えているのではないか。時間はかかるかも知れないがあと10年もすればこうした「本物のキャピタリスト」が世間に認知される時代が来ることを期待したい。
また、現在の日本のVC投資額が盛り上がらない理由はVCの姿勢にあるだけではなく、投資したくなる企業が多くないという側面もあるように思われる。景気が悪い時には「大企業にいても先が知れているから奮起して起業しよう」という起業マインドが見られた聞くが、最近の好景気の影響もあって最近では起業意欲が減っているという噂があり、さらに学生の就職についても保守的な動きが目に付くというような話を効く。
起業が報われる社会、失敗を許容する文化、起業を支援できる投資家等は起業に必要な「インフラ」だと思われるが、こうしたインフラを整備・発展させることと起業マインドを盛り上げることは、ニワトリとタマゴのように相互に関連しあいながら発展していくものだと考えている。
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