「米国ではSOX法の対象を見直す議論が起きている」というニュースが日経サイトに掲載されたが、僕の身の回りでもこれを裏付ける動きが起きている。
NVCA(National Venture Capital Association)こと米国ベンチャーキャピタル協会という米国内のベンチャーキャピタルの多くが参加している団体があるが、先ごろこのNVCAから調査依頼が寄せられた。調査の内容はSOX法による実害を調べるもので、各VCが投資しているベンチャー企業のうちどのくらいの企業がSOX法対応に苦慮しているか、どの程度のコストがかかっているか、そしてどの程度の企業が米国を脱して海外の市場に行こうとしているかを調べて回っている。おそらく数ヶ月後に調査結果がまとまって公表され、その結果をもってNVCAは米国議会に対してロビー活動を繰り広げるのだろう。
身の回りの個別のケースを見ても、NASDAQなどの米国株式市場への上場を狙う優良企業がSOX対応コストがあまりにも過大なことから断念し、上場が容易な海外市場を目指す動きが頻発している。このまま放っておくと米国内の優良企業による国外逃避が盛んになり、国力の低下を引き起こしかねない。「コンプライアンス栄えて国滅びる」の状態だ。
コンプライアンスが重要なのは議論の余地の無いところだが、何か大事なことが忘れられている気がして仕方ない。
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