ラスベガスで開催された世界最大の民生品見本市「CES」で、Googleの創設者であるLarry Page氏のキーノート・スピーチを聞いてきた。
予定を30分繰り上げて始まったスピーチは、大ホールの座席チケットが早々に売り切れて立ち見が大勢出るくらい盛況で、今回のCESで最も注目されたプログラムだったようです。約1時間半に及んだプログラムの中でPage氏は新しいサービスの紹介を次々と繰り出し、数百人の聴衆を魅了しました。
講演の詳しい内容は専門のニュースサイトに譲るとして、僕は彼個人の講演に臨む態度に感動してしまった。
Googleといえば今やシリコンバレーで最も注目される企業の一つ。その影響力は大きく、Googleは次に何をするのか、人々の噂に上らない日はないでしょう。そんな会社の創設者なので、さぞ鼻っ柱が強くて自己主張の激しい人かと思いきや、とても穏やかな語り口を持つ御仁で、どちらかといえば人前で話すのに慣れてない様子で、終始聴衆に対して真摯に語りかけているように感じました。
中でも印象的だったのは質疑応答の場面。Page氏は講演の最後に質疑応答の時間を設けたのですが、次々に繰り出される質問(Googleに対してシニカルなものも少なくなかった)に対し、場が緊迫する場面ではすかさず同席した俳優のRobin Williams氏が持ち前のジョークでうまくやり過ごしてくれたが、それでもきちんとすべての質問者に対してきちんと受け答えしようという態度が現れていました。
こうしたやり取りを聞いているうちに、Googleはいろいろなもののあり方を変える破壊的イノベーターだと思うが、それをやっている当の本人達は「野心でギラギラした」輩とは対極にあって、どこか牧歌的というか「僕はこれがやりたいからやるんだ」とか「こうなったら便利だと思う」というような素朴な行動原理で動いているように感じた。そうしてやりたいこと、こんなことが出来ればいいと思うことをやっているうちに世界を変えてしまっている、そんな不思議な力を持ち合わせているように思った。何か新しい価値観を具現化しているように思うのである。
PS:Page氏が登場したときに乗っていた車(冒頭の写真)はロボットカーです。
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