世界的なレストランガイドと言えば、フランスのミシュラン・ガイドが有名だが、アメリカ人にはZagat Surveyが人気だ。レストランの評価は「星」ではなく、「数字」でレーティング。料理、内装、サービスを30点満点で評価したもので、ワインレッドの縦長な装丁が特徴的。アメリカ人に、「サンフランシスコでお勧めの店はどこだ」と聞けば、「Zagatで探せ」と応えが返ってくる、定評のあるガイドブックだ。
そのZagatがGoogleに買収された。今後、GoogleのSearchやMapにZagatのガイド情報が表示されるという。買収額などは公表されていない。
引用: Google acquires Zagat, strikes a major blow against Yelp
September 8, 2011 | Sean LudwigGoogle has bought Zagat, the popular restaurant reviews service. The search giant announced the news on its company blog today and said users will immediately start seeing Zagat’s content integrated in Google searches and Google Maps.
Terms of the acquisition were not disclosed.
位置情報がらみのサービスはネット業界でも引き続き注目の成長コンテンツだが、レストランはそうした位置情報の中でも最重要だろう。Zagatのレストラン情報がGoogle Mapに出てくるとなればユーザとしても興味深い。
Zagatは創業以来32年立つそうだ。ミシュランとは違って、Zagatの評価は一般の人へのアンケートの回答により統計処理したものだという。ある意味でUser Generatedなコンテンツなのだが、書く人によってばらつきの出る「コメント」ではなく、評価を数値化していることが特徴だ。食べログも「星」を載せているが、これをもうちょっと高い精度でやっている、ということか。
アメリカでよく似たサービスにYelpがある。レストラン情報サイトとしてはこちらの方が有名で、利用者があれこれ口コミ情報を載せていく方式になっており、日本の食べログと同じだ。GoogleはこのYelpを2009年に$550M(!)で買収しようとしたが成立しなかった。で、Googleは諦めきれずに今回のZagatの買収になった、ということか。Zagatの通知化された評価というのは確かに強力だ。Yelpにとっては脅威になるかも知れない。
ネットの世界で巨大なプラットフォームを構築した企業は、世の中の各種コンテンツを次々に統合していく、、、紙媒体しかなかった創業32年の老舗企業がその対象になり始めたという意味では驚きだ。Google、Facebookなどを中核に、今後もこうした「ネットでない会社のネットへの統合」が普遍的に起こるのだろう。日本のDeNAやGreeがこれにどこまで対抗していくか、動向を注視したい。
ところで、日本人である私としては、Zagatもいいのだが、Surveyに写真が一つも出てこないのはいつも取っつきにくいなぁと感じている。お願いだからレストランのメニューやサイトにもっと料理の写真を掲載してくれ、と言いたいのだが、これは文化の問題か。。。
誰か、アメリカのレストランのメニューに写真を載せるサービス、始めてみませんか? ウケると思うんだけどなぁ。。。 もっとも、アメリカのレストランでは、ステーキといえばステーキであって、誤解のしようもない。写真を見ても見なくてもあまり変わらないか。。。
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