InformationWeekが報じたところによると、AndroidとSymbianが今後3~6か月以内に合併する見込みだという。
引用: Android, Symbian Expected To Become One OS
By Antone Gonsalves InformationWeek 2008/7/24
Nokia (NYSE: NOK)-owned Symbian and Google (NSDQ: GOOG)-created Android are destined to be combined to provide a single open source operating system for smartphones, an analyst firm said Thursday.
The merger of the two operating systems will begin within three to six months, driven mostly by the fact that Nokia and Google are pursuing similar open source strategies with their respective technology, J. Gold Associates said in a research note.
携帯電話、それもスマートフォンと呼ばれる高機能な携帯電話のOSの世界では、Symbianが世界シェアの過半をとり、競合するLinuxやWindowsを圧倒してきたわけだが、そこへGoogleがLinuxベースのAndroidで参入を図ろうとしていた。一方、AppleのiPhone 3Gが世界中で人気を博したこともあり、三つ巴の戦いになりそうだと思われた。
そんな状況の中、今回の報道のようにSymbianとAndroidの合併が本当に実現したら面白い展開になる。ちょうどパソコンのOSがWindowsとApple OSに二分されたように、携帯の世界もOSはSymbian/Android陣営とiPhone陣営に二分されるかも知れない。これが実現したら、その先にあるのは、ハードウェアのコモディティ化とアプリケーションの標準化ではないか。
携帯電話の標準的な機能をOSが提供するようになることで、ハードウェアは独自の機能を持つ必要がなくなり、差別化の要因は処理スピードだけ、というような事態になりかねない。ハードウェアのコモディティ化だ。
また携帯電話メーカー各社が独自に作ってきたアプリケーションが、標準OSの上で動くこと、イコール、他の携帯電話メーカーのハード上でも動くこととなる。Windows以前のパソコンのソフトウェアメーカー(アプリ)がNEC向けとか富士通向けとかに分けてソフトウェアを作っていたのが、Windows以後はそうしたハードウェアの差異を気にする必要はなくなったのと一緒だ。競争のルールが変わるわけだ。
ハードウェアに依存した日本の携帯電話メーカーは早期に事業モデルの見直しを求められる可能性がありそうだ。また、アプリケーションやサービスの分野も市場構造が変わり、競争ルールが変わってくるだろう。Microsof Office Suiteのようにアプリケーションの分野でDe-factを取る動きが活発化するかも知れない。
ハードウェア、ソフトウェアそれぞれの分野で大きな構造変化をもたらしかねない。今後も携帯電話プラットフォームの動向は目が離せない。
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