家庭内からインターネットにアクセスするために使われる「線」と言えば、①電話線(DSL含む)、②CATV、③光ケーブル、④無線、が主流の技術だろう。時代は①、②から③に移行しつつあり、今後次世代携帯電話4GやWiMAXの動向しだいで④がどこまで頑張れるかと言ったところだろうか。
これら4つが熾烈なシェア争いを繰り広げている中で、今後ダークホースとして登場するかもしれないのが電力線だ。家庭の各部屋に100ボルトの電力を供給している電源コンセントとそれをつなぐ電力線を通信ケーブルにしてしまおうという技術だ。これはユーザーにはとても魅力的で、何しろPC類につけなければならない線は電源コンセントのみ。通信ケーブル類は接続する必要もなく、無線LANの設備もいらない。どこの部屋にも必ず一つや二つの電源コンセントはあるのでケーブルの接続に困ることもない。これが実用化されれば他の通信手段を一気に抜き去って家庭内通信インフラの主役として躍り出る可能性がある。
この技術、スペイン等一部の国では既に実用段階にある。日本でも長いこと行政府と業界の間で認可を巡って審議が繰り返されてきた。しかし、電源コンセントは線をシールドで覆ってないため、数GHzという高い周波数の信号を流すと、信号がどんどんケーブルから漏れ出し(つまりは電波を発し)、周囲の通信機器類に障害を与えてしまうことから、日本の総務省は長らく認可を与えてこなかった。この分野のベンチャー企業は少なくないのだが、こうした規制の影響で長らく事業が拡大しなかった。
アメリカでも事情は同じなのだが、このたびカリフォルニア州政府はこの規制を緩める方向に動いたようだ。
the California Public Utilities Commission voted Thursday to reduce the number of regulatory hurdles companies must clear to experiment with the technology.
規制がなくなるわけではないのだが、規制を緩くすることによって通信分野の競争を促進しようというものだ。実際、私が住んでいるカリフォルニアの通信事情は遅れており、シリコンバレーであっても光ケーブルにお目にかかることはまずなく、高価なCATVケーブル接続(約$40/月)か、低速でしばしば障害が発生するDSLぐらいしか選択肢がない。電力線通信は長い距離の通信が不得意なためアメリカの広大な住宅街に張り巡らせるのは困難かも知れないが、集合住宅などの通信環境を改善するものとして期待したい。
家庭のインターネット環境に関して言うと
日本の方がアメリカより格段にいい気がしますね。
うちでは年始の帰国以来先日まで
NTTのFLET’s光を使っていましたが
使い勝手の悪さに切れて
USEN光に変更しました。
アメリカではCATVが先行して
それを利用するネットが続きましたが
日本は光ネットが先行して
それに付随する形で
インターネットという別の発展をしそうな気配です。
今後の動向が楽しみです。
投稿情報: | 2006年5 月 2日 (火) 00:40