NECが「光回路」を内蔵した半導体の技術を発表した。この技術を使うと半導体のシリコン基盤の上に光の回路を形成することが出来る。
光の回路とは、光の波長を変えたり、曲げたり、増幅したり、記録させたり(!)する回路のことだ。現在でも光ファイバーを使った通信機器には必ず光を取り扱う部品が必要になるわけだが、それなりに高価なものだった。NECの技術はこうした高価な光部品を安価なシリコン上に形成し、しかも電子回路と同一チップに収められるのでこれまで複数のパッケージにまたがっていたものを一つの小さなパッケージにまとめられる。そうすると、通信事業者などで使われる高額なハイエンドスイッチが劇的に安価なものとなり、企業内や家庭内などでも普通に光ファイバーが使われる時代を実現する可能性を秘める。
そんな高速なネットワークを家庭内に入れてどうするんだという疑問もあるが、ハイビジョンが身近になった今、家庭内の各部屋でハイビジョンを見るのもありえなくはない。そんなことを可能にする基礎技術になるだろう。
フォトニック結晶と言う技術を使ったこの分野では、日米欧が三つ巴になって次世代の覇権を競っているが、日本の実力はなかなかのものだ。将来、大きな産業に育ってほしいと願うばかりである。NECといえば日本を代表する優良企業。こういう話が出てくると、案外日本の将来も悪くないのではないかと思う。
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