ベンチャーキャピタル(VC)に身をおきながらこういうのもなんだが、VCが投資するのは極めて稀だ。投資候補が100社あるとすれば、その中から投資するのはおそらく一桁だろう。「投資できる」と言った方が正確かも知れない。誰もがいいと思うような会社にはそうそう投資する機会に恵まれないのだから。
創業間もないスタートアップ企業の場合にはVCからの投資はさらに狭き門となる。これまでたびたびブログで触れてきたように、VCといえども人様のお金を運用している手前、無尽蔵にリスクを取れるわけではないからだ。
米国ではそんなVCがカバーできない領域にあるスタートアップ企業への資金提供を「エンジェル」と呼ばれる個人投資家達が賄ってきた。こうした個人投資家たちは自己資金でスタートアップ企業に投資し、うまくいけば何百倍・何千倍ものリターンの獲得してきたのだ。
しかしながらエンジェルが華やかだったのも今は昔、今やエンジェル達の行動もやや変調してきたようで、スタートアップに投資する資金が減っているという。原因はおそらくVCがレーターステージを重視するようになった結果アーリーステージへの投資資金が手薄になり、エンジェルが得意としたスタートアップ段階での投資とうまく橋渡しが出来なくなっているからだと考えている。橋渡しが出来ないとどうなるか、、、スタートアップ企業に投資ししてせっかく芽が出てきても、その後を支援してくれる投資家が出てこないとなるとその会社は資金繰りに困ってしまうことになりかねないのだ。なんとか資金をやりくりできないと、その段階で倒産してしまうことも少なくない。ちきんとした統計データの裏づけはないが、そいうした過程を通じて懐を痛めてしまったエンジェルも少なくないはずだ。
ベンチャー企業が発展していくステージの中で最もリスクが高いスタートアップの段階を如何に乗り越えるか、あるいはこの段階にある企業を如何に支援できるか、各プレーヤーのあり方が問われているのでしょう。実際にそうした状況を体験しながら、つらさを身をもって味わっています。
それにしてもベンチャー企業の社長達のタフなことったら。。。とてもつらい状況なのに、常に状況を前向きに捉えてひた向きに前進しようとします。僕もそんな彼らからエネルギーをもらっているように感じます。
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